2020科学知講座『日常のなかの「問い」をみつめよう』
今年度の科学知講座『日常のなかの「問い」をみつめよう』に、高校1年生理数キャリアコースの生徒12名が参加しました。指導講師は文京学院大学保健医療技術学部の樋口桂教授と、本校国語科の塩野入優先生です。
科学知としては異色の国語的視点から解説されたこの講座ですが、「探究」する、という点においてまずその第一歩となる”問いを立てる力”、そして”答えのない問いに立ち向かう力”を養成することを最大の目的としています。
問いをたてる練習編のテーマは、TVアニメ「プリキュア」シリーズ。肩に力が入っていた生徒も「懐かしい〜!」と思わず笑顔に。「なんで主人公はピンクなの?」「どのシリーズにもマスコットキャラがいるのはなぜだろう」など、思うままにいろんなツッコミをいれていきます。そのツッコミを追及できそうなもの/できそうにないものに分類し、できそうな問いに対して仮説をたてていきます。また精度の高い仮説を作るにはどうしたらよいのか、レクチャーを受けました。
この講座ではロイロノートを使用して作業を行います。みんなの問いや仮説を共有して、なかなか鋭い指摘には生徒から感嘆の声もあがりました。
さらに練習編の仕上げとして、20年後のプリキュアシリーズの企画案をつくります。それにあたって、過去の歴代魔法少女アニメの変遷を追い、気がついたことから、設定の裏にはなにがあるのかなどに目を向けていきます。また、20年後の未来年表などをもとに、どんな社会になるのかを予測、それらを総合して”売れる”根拠をもったプリキュアのプレゼンをしてもらいました。どうしたら売れるのか、というのも一種の「答えのない問い」にあたります。
実践編として、『安楽死』の合法化の是非について考えました。
最初は生徒全員が合法化について賛成という結果に。しかし、合法化された未来の日本を舞台にしたifストーリーの短編漫画や、様々な見方・意見、事例を通して、テーマに対する考えが深まり、反対に回る生徒・賛成だけれども制度としての検討すべき点を挙げる生徒など、生徒達それぞれの意見が変容していきました。
この講座を通して、「どんなところにも探究のきっかけはあるんだ」ということを知り、これからの課題研究に活かしてくれることを願っています。
【生徒の感想】
受講前は、はじめ「日常の中の問い」と聞いて普段疑問に思う事はないな、難しいのかなと考えていた。
受講後には、
些細なことでも少し考えたらたくさん問が浮かんできて普段の生活の中にはスルーしてしまっていて実は疑問に思っていた事が沢山あり、それに気づくことができた。