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「ICT活用授業”潜入”」(学院長・理事長:島田 昌和)

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夏休みまでだんだんと残り少なくなってきました。中高とも全学年がタブレットを持つようになり、同時にコロナ禍への対応から急速にICTを活用した授業が目立つようになっています。そんな授業を覗いていても、実際のところ、先生と生徒がどのようにタブレットを利用しているのか、皆目わからないのが正直なところです。先日の保護者の方々との会話の中でもICTの利用についての発言がありました。遠巻きに見ているだけではいけないと思い、お願いしてICT活用授業に「潜入」させてもらいました。どういう事かというと、私は大学キャンパスのデスクにいて、生徒が使っているのと同じタブレットを借用し、教室の様子はカメラを通じて中継してもらいながら、授業に参加するという一人遠隔参加の、まさに授業「潜入」レポートとなりました。

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「ロイロノート」というアプリを使っている事は知っていましたし、その画面が教室前方の大型モニターに映し出されているのも見たことがあります。ですが、遠隔の場にいて、多少の説明だけでいきなり、参加メンバーの一人としてモニターに名前が入っているわけです。「どうしよう、きっと一人だけ置いて行かれる!」と言う焦りの気持ち一杯で授業は始まりました。遅くなりましたが、参加したのは中学3年栗組、田島雅人先生の国語の授業です。田島先生は容赦なく、最後には島田先生にも講評聞きましょうね、と生徒に言っています。ロイロノートの使い方はまったくわかっておらず、どうやって講評すればいいかもわからないのに、酷すぎる、と心の中では悲鳴を上げていました。

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授業の内容は、あらかじめ生徒一人ひとりが作成した1分程度でまとめられた「私の主張」のような画像付き音声メッセージを見て評価するというものでした。時間内でだいたいみんなの分が見られる計算ですよ、と田島先生は言うわけですが、25人分をテキパキ見ることなんて果たして出来るものかと、さらに焦りは募ります。アナログ世代の私は、一人ひとりのメッセージをわずかでありますが、手書きでメモを取りながら見ていきます。生徒はいったいどうしているのか、それを観察する余裕はゼロでありました。案の定、私は全部を見切ることができず、タイムアップ。さあ、アンケート機能で投票して下さい、と指示が飛びます。

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えええ、と焦りまくり、何とか、やり方がわかって私も投票。あっという間にアンケートは目の前で集計され、みんなが一番評価したメッセージが決まります。おお、凄いと思っていたら、島田先生も、一番票の入ったメッセージのどこが良かったか、ロイロノートに書いて下さいね、と難しい指示が飛びます。そんなの無理!と思いましたが、すかさず秘書が手助けしてくれて、タブレットのキーボードで感想を一言書き込むことが出来ました。授業後には今日の一番評価だった生徒を含め、授業の感想をカメラにむかってしゃべってくれて、何とか無事ICT授業潜入レポートは終了しました。

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本校はまさにこの2年間くらいの中でタブレットを授業に用いることに取り組んできました。その前までは、先生は黒板にチョークで書き、生徒はプリントとノートに手書きで書き込んでいくというスタイルです。発言は挙手をして当てられたら喋る、だったわけです。ですがそれが、事前に自分の意見を画像入りで録画する。それぞれの生徒が自分のペースで見ていく。クラスの全員がタブレットで投票し、瞬時にその結果が集計される。感想等の意見もタブレットで打ち込み、それが大型モニターに一覧できるように映し出される。その様に変化してきているわけです。さらに、私はそれを教室でも学校内でもなく、学校外から覗くことができるわけです。

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新型コロナウイルス感染症蔓延は社会に深刻なダメージを与えています。その中で唯一の光明は、どうやったら授業を止めずに学習し続けるかに早急に対処を強いられ、何とか新しいスタイルの授業をものにしつつあることなのではないでしょうか。まだまだ、改善の余地はいっぱいあることでしょう。ですが、アナログからデジタルへの急速な移行が動き出し、それは決して止まることがない事を確信できた、ドキドキのICT授業初体験でした。私のわずか一言のコメントに「ありがとうございます」と生徒は即座に書き足してくれました。そんなやりとりに参加できたことが染みるほどうれしかった、アナログ世代でありました。

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(学院長・理事長:島田 昌和)

 

2022年度「学院長メッセージ」バックナンバー

学院長メッセージ」(4月6日)
ペン習字600枚」(5月2日)
中学3年生の関西修学旅行」(5月16日)
芸術鑑賞会:劇団四季『アラジン』の壮大なロマン」(6月6日)
保護者”役員”さんとのトーク」(6月20日)

 

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