「中学3年生の関西修学旅行」(学院長・理事長:島田 昌和)
4月19日から2泊3日で中学3年生が関西修学旅行に行ってきました。初日の朝に東京駅に見送りに出て、生徒全員、うれしさが満ち溢れた表情をしていて実に印象的でした。実際どんな感想をいだいているのかを聞いてみようと思い、生徒有志との座談の会をセットしてもらいました。集まってくれたのは3人。3クラスそれぞれで班長さんを務めたメンバーでした。
一番印象に残っているのはどこでしたか?という問いに法隆寺の五重の塔の高さが想像以上でどうやって建てたのかとビックリした。坂を上がって目の前に広がった清水寺、そして有名な清水の舞台に感動した。伏見稲荷の鳥居が想像以上に大きく、どこまでも山に連なっていたのに驚きました。そんな感想を語ってくれました。
3年前、対面の入学式はできず、しばらくは自宅での慣れないリモート学習となり、なんら学校行事が無いに等しい2年間を送ってきた生徒たち。友達と初めて宿泊を伴う旅に出られたことがうれしくてしょうが無かったそうです。班のメンバーで見学先をいろいろ調べて決め、そのリーダーとして利用する交通機関の時間を気にかけながら無事遂行できた満足感も語ってくれました。
もちろん、最終日のUSJも楽しかったと語ってくれましたが、それぞれの生徒が京都や奈良の寺社仏閣めぐりを楽しみ、時代によって寺社建築の様式が違うことなどを語ってくれ、私も若い頃、中高の社会科教師の経験もありますので、立派に修学旅行としての成果をあげてくれた生徒たちにうれしくなりました。
実はね、私、御朱印集めをやっていて、西国(関西)と板東(関東)の三十三霊場巡りの御朱印があるんだよ、と持参した自分の朱印帳を披露しました。板東の御朱印帳は五十年ほど前の小学生の時に父親と始めたもので、途中で回らなくなって長らくしまい込まれていたものを数年前に再開し、スタートから五十年もの時間をかけてすべて回って“満願成就”したものです。西国はその後に回り始め、ここ数年コロナ禍で中断しているものです。3人とも驚いてその朱印帳を眺めてくれていました。
みんなも御利益がありそうな寺社仏閣でおみくじ引いたり、お守り買ったりするよね。この御朱印集めも最初はスタンプラリーみたいな軽い気持ちで始めたんだけど、回っているとすごく行きにくい難所のようなお寺がセットされていて、それをフウフウいいながら回るとすごく達成感があるんだよね、と話をしました。
自分の幸不幸をおみくじに託して試したり、自分の力ではどうならないものを何らか感じていてお守りを握りしめたり。これだけ労力をつぎ込んだんだからきっと御利益があるはずと自分に言い聞かせ、人は誰しも、何か目に見えないものに頼りたい気持ちを持つのは当たり前でしょう。長年の風雪に耐えた、荘厳で独特の雰囲気に満ちた京都や奈良の寺社仏閣から感じたことを発端に、そんな会話を中学3年生と交わすことができた実にいい時間でありました。
「百聞は一見にしかず」、自分の眼で直に確かめて、自分なりの感じ方ができる人に成長していってほしいものです。
(学院長・理事長:島田 昌和)